ジェントルかっぱのブログ

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【映画】『帰ってきたヒトラー』

イギリスEU脱退国民投票の翌日に鑑賞した。

これは荒唐無稽なコメディを装った、過激なドキュメンタリー映画である。

劇中劇という言葉があるが、この映画は劇中現実あるいは現実中劇である。現実と虚構があたかもヨーロッパのごちゃまぜ民族状況のようにモザイク状に入り混じり、現在のドイツの状況を浮きあがらせるものになっている。

ヒトラーに扮した役者がドイツ国内をめぐり一般人や政治団体にインタビューした映像はとても興味深い。

原作発売の2011年からさらに進行した移民・難民問題を映画化にあたって追加要素としてうまく取り込んでいる。

原作にない残酷シーンはユダヤ人を簡単に撃ち殺すSS将校を想起させるので映画化にあたって抑えとして挿入したエピソードではないかと思われる。

 

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