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ジェントルかっぱのブログ

読書、映画、美術鑑賞

【映画】『ふたりのベロニカ』クシシュトフ・キェシロフスキ 1991年

かつてキェシロフスキの『トリコロール/青の愛』を渋谷のBunkamuraに観にいった時、観客のほとんどが女性で、「おシャレなセックスをするおフランス映画」に対する女性の食いつきっぷりの良さに圧倒されたものだった。内容は「おシャレでちょっとエッチな純愛物語」といった感じで、「こういうのが女性誌で特集されるんだろうなー」以上の感想はなかった。

次にキェシロフスキに出会ったのは、『デカローグ』で、この連作はめっぽう面白く、特に、殺人犯が裁判にかけられ死刑執行されるまでを描いた作品がとても強烈であった。これはTVシリーズであるが、「硬派なポーランド映画」といった趣である。

かようにキェシロフスキには2つの側面があり、彼の中には、「日本の女性が大好きなおしゃれなフランス産セックス映画」と「人間の苦しみや原罪や運命や葛藤を描いたポーランド産映画」の2つが同居しているのである。

ふたりのベロニカ』はキェシロフスキのその2重性をそのまま映画にしたような作品である。ふたりのベロニカのうち一人はポーランド人、もう一人はフランス人である。ポーランドのベロニカよりフランスのベロニカに比重が置かれているため、おしゃれな映像と、おしゃれなセックスを楽しむ映画、という色彩が強い。ネットにころがっている感想も、おしゃれな映像センスに対する言及が多いようである。

ベロニカ役のイレーヌ・ジャコブがいかにもフランス女優らしい美しさ、色っぽさで、彼女の風貌や裸体を、美しい映像でおしゃれに楽しむことができる。