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ジェントルかっぱのブログ

読書、映画、美術鑑賞

【映画】『スティング』 ジョージ・ロイ・ヒル The Sting 1973年

この映画は何も知らない状態で観て、映画製作者に「してやられる」のが一番楽しい観方だ。ストーリーをバラすのは野暮というものである。

1974年に公開されたジャック・ニコルソン主演の『チャイナタウン』は、舞台設定が1930年代後半のロサンゼルスであった。ポール・ニューマンロバート・レッドフォード主演の『スティング』は1973年公開で、舞台設定が1936年のシカゴである。当初ゴンドーフ役はポール・ニューマンではなくジャック・ニコルソンにオファーされていたそうで、ジャック・ニコルソンの売れっ子ぶりが伺える。場所が離れているせいなのか、『チャイナタウン』より『スティング』の方が少しクラシックな感じがする。

どちらも登場人物の男性の衣装がとても素敵である。以前1937年(昭和12年)の東京の朝の通勤風景の写真を見たことがあるが、そこに写っているサラリーマンもこれらの映画のような仕立てのスーツを着て帽子を被っていて、昭和初期の男性のフォーマルな格好のシックさは惚れ惚れするものがある。

映画を観ると必ずWikipediaで俳優や監督の項目を確認する。以前スピルバーグジョーズ』を観たあとに、クイント船長とこの映画のロネガンが同じ俳優であることを知った。今まで全くそれに気づいていなかったのだが、俳優や監督についての情報が手軽に入手できる時代になって、観たことがある映画でも新しい発見をすることができ、映画を観る楽しみが大分増えた。

音楽ももともとはこの映画用のものではなく、1902年に作曲されたクラシカルな曲で、この映画の製作より70年も昔である。私たちには『スティング』のテーマとして脳裏に焼き付いてしまっている。古い名曲をよく保存して後世に伝える機能を映画が果たす良き例であろう。

DVDに付属しているキャストインタビューのドキュメンタリービデオを観て初めて知ったのは、ロネガンがびっこを引いているのはロバート・ショウが怪我をしたためそういう設定にしたという事実だった。ロネガンがびっこを引いているのが、彼のアウトローで怖い部分をよく表現していてこの映画で印象に残る部分であったので、これは新しい収穫であった。