ジェントルかっぱのブログ

読書、映画、美術鑑賞

【映画】『フルメタル・ジャケット』キューブリック FULL METAL JACKET

美しい映像表現を駆使して様々な位相の「狂気」を描かせたら右に出る者がいない、鬼才キューブリックのベトナム戦争映画。 反社会的人格の「狂気」(『時計じかけのオレンジ』)、悪霊に憑依された殺人鬼の「狂気」(『シャイニング』)、暴走するコンピュー…

【読書】神田古本まつり

土曜日に神田古本まつりに行った。すずらん通りの「キッチンジロー」で昼食をとり、腹ごしらえをしてから散歩へ。靖国通りを、駿河台下から神保町の交差点まで進む。岩波ホールで映画のパンフレットをもらい、岩波ブックセンターで新刊本の動向をチェックす…

【瀕死語】「いまいましい」

小説などに出てくる言葉で、すぐに意味は通じるし、死語になってはいないものの、日常生活ではまず使わないし世代継承もされにくく、死語になってゆきそうだと推定されるものを、「瀕死語」と呼ぼう。 「いまいましい」(トルストイ『アンナ・カレーニナ』よ…

【映画】視聴候補作品リスト

cinefil.tokyo 1.『メトロポリス』(1926/独) 監督:フリッツ・ラング2.『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922/独) 監督:F・W・ムルナウ3.『ドクトル・マブゼ』(1922/独) 監督:フリッツ・ラング4.『ナポレオン』(1934/仏) 監督:アベル・ガンス5.『大いな…

【映画】 『ジョーズ』 スピルバーグ JAWS

この映画を作成した時のスピルバーグは28歳だったそうだ。 主要人物の3人のキャラ立ちが、西遊記のように個性が分かれていて、面白い。ワイルドでアウトロー的な船長は孫悟空、真面目な警察署長は沙悟浄、少しお笑い担当の海洋学者は猪八戒のような、デコボ…

【映画】『風が吹くまま』 キアロスタミ The Wind Will Carry Us

小津安二郎を髣髴とさせる固定カメラを多用した構図で、写真のような美しい映像で古い村とテレビクルーの、死と生の境界線や往復を描いた作品。イランのクルド人村落に到着したテレビクルーの目的は村で行われる葬式を撮影すること。だがお目当ての病人はな…

【映画】『帰ってきたヒトラー』

イギリスEU脱退国民投票の翌日に鑑賞した。 これは荒唐無稽なコメディを装った、過激なドキュメンタリー映画である。 劇中劇という言葉があるが、この映画は劇中現実あるいは現実中劇である。現実と虚構があたかもヨーロッパのごちゃまぜ民族状況のようにモ…